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2/10「新世紀の医師憲章」 2/17「高齢社会危機と消費税」 2/24「社会保障と公共事業」 3/2「薬漬け医療の真実」 3/9「国保があぶない」
3/16「誰のための介護保険」 3/23「医師の名義貸し」 3/30「医療報道」


「世界一の医療費抑制策」  上塚高弘(熊本県保険医協会会長)

 最近、医療費の負担がじわじわと家計を圧迫しているのではないでしょうか。これについて、日本医師会(日医)が強力な圧力団体として医療の値段(診療報酬)を引き上げ、医者だけがいい目を見ているためだと勘違いしておられる方もいます。
 確かに日医は診療報酬の引き上げを常に要求しているのですが、圧力団体としては力不足でその要求は全く通りません。1980年から現在まで、賃金は約50%、消費者物価は約30%上がっているのですが、診療報酬はなんと3.8%しか上がっていません。
 この現象を、日本福祉大学の二木立教授は世界一の医療費抑制策といい、大和証券年金事業開発部の斎藤哲史主任研究員は不自然なまでの抑制と表現しています。医療費が上がるのは人口の高齢化や医療の進歩のためで、医療機関の収入は増えますが、支出もそれにつれて増えるので、所得増にはなりません。
 斎藤氏らは診療報酬は40%くらい上がって当然だと言っているのに3.8%ですから、医療機関はどこも経営に四苦八苦しています。人減らしをしたり、古い医療機器を使い続けたり。当然医療の質は低下しますし、医療事故が多発しないか心配です。
 では、なぜ家計の医療費負担が増えたのでしょう。それは、国が医療費負担を減らし、その分家計に負担をかけたからです。1990年には医療費の30%は国庫負担でしたが、8年後は24%しか負担していません。その分家計の負担は40%から45%に上がっています。その後高齢者や社会保険本人の自己負担や保険料の引き上げがありましたから、家計負担はさらに重くなっています。
 イラク復興支援も結構ですが、自国の国民をまず大事にしてほしいですね。
H16年1月20日
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