決 議
 日本の人口は今後50年間で3割減少し、65歳以上の高齢者が4割を占める超高齢化社会となる。4月には、熊本県が昨年10月時点での県推計人口を公表し、29年ぶりに181万人を割り込んでおり、すでに人口減少の徴候は県内でも現われている。
 この事態を考慮すれば、既存の枠組にとらわれず、踏み込んだ社会制度改革の議論が必要な時が来ている。
 特に、財政再建は緊急の課題である。経済協力開発機構(OECD)によれば、政府債務の国内総生産(GDP)比率は、200%と突出した危険な状況にあるが、財政再建の道筋さえ見出せず、時間だけが費やされている。
 「社会保障と税の一体改革」の議論も同様である。政局や党利党略が優先され、今やわが国は政治の体をなしていない状況と言える。
 昨年、熊本で開催した保団連医療研究集会に当たり、医療崩壊と言われて久しい中、医療を再生させる手がかりを探ることを目的に「医療再生」を統一テーマに掲げ、その実現のためには、私たち医師・歯科医師の自律こそが肝要と位置づけた。
 私たちは、前述の社会状況の変化や今回の診療報酬、介護報酬の同時改定から見えてきた、入院から在宅へ、医療から介護への流れを見据え、国民にとって必要な医療の在り方を検討・提言できるよう一層力を尽くすものである。

平成24年5月26日
熊本県保険医協会  第37回定期総会