2008年11月27日
内閣総理大臣 麻生太郎 殿
熊本県保険医協会
会長 吉住眞
暴言に断固抗議する

 熊本県保険医協会は、熊本県内の医師・歯科医師3400名で組織する団体で、国民医療の向上と保険医の生活と権利を守ることをめざして活動している。
 現在わが国の医療は、長年の医療費抑制策により医師不足をはじめとして、医療崩壊を来たしており、とくに産科や救急医療に顕著に現れている。
 ところが、首相は11月19日全国知事会議で、地方の医師不足に関連し、「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保は大変だ。はっきり言って、社会的な常識がかなり欠落している人が多いと思われる。とにかく、ものすごく価値判断が違う」と述べ、さらに医師不足の責任について「責任は医師の側にあるのではないか」と責任を転嫁する発言を行っている。
 この発言の翌日、日本医師会をはじめとする関係団体等の抗議に対し「言葉の使い方が不適切だった」としてくだんの発言を撤回し謝罪しているが、一国のリーダーの発言としては、あまりにも社会的常識が欠落している。医療現場で日夜患者、国民の命を守るため、骨身を削って奮闘している全国の医師の人格を貶める暴言であり、発言の撤回・謝罪ですむ問題ではないことを肝に銘じるべきである。
 ここに改めて強く抗議するとともに、今日の深刻な医師不足を一刻も早く解決する諸政策を即刻実施することを要求するものである。