JOYJOYの会との惜別

 私が女性医師部会に入ったのは、入江絹子先生(御船町入江歯科医院 副院長)に声をかけていただいたからです。おかげで、仕事や子育ての悩みが自分だけのことではないと知り、孤立感が薄れました。加えて、研修では歯科分野だけでなく社会問題や医療分野の情報を得ることができました。
 講演会では、「キレるコオロギ、飛べないコオロギ」(講師は金沢工業大学長尾隆司教授)から「餌を与えられると(飛んで餌をとる必要がなくなると)飛べなくなる。一匹だけで育てると、脳内アミンが少なくなって凶暴になる。文明が進んだ快適すぎる飽食の環境は、生きていくスキルを減退させ、社会性の欠如をもたらす危険性がある。極端に自然から遠ざかった生活は、不健康に繋がる」ということを学びました。
 このことは禁煙活動(くまもと禁煙推進フォーラム代表橋本洋一郎先生)に繋がり、また、あいうべ体操(福岡市の「みらいクリニック」院長今井一彰先生が考案)やベロタッチ運動などの市民活動の推進に自信を持たせてくれました。
 女性弁護士等との異業種交流では、悩みを共有し、災害時の課題、虐待・性犯罪等の社会問題を共に考えることができました。
 女性医師部会は、女医を楽しむという意味もあって、「JoyJoyの会」という別名を持っていますが、その名の通りいつも前向きにアイデアを出し合うことができたと思います。アイデアを実現に向けて話し合い、事業を企画するのは醍醐味でした。
 月に一度開催される女性医師部会の会議で、慣れない司会を池田景子先((合志市池田クリニック 副院長)と交代で受け持ったことは楽しい思い出です。また、全ての場面で事務局に助けられたことは言うまでもありません。
 現在、メンバーがいつの間にか若くなり、その意見をまるで母親目線で聞くことが増えてきました、昨年からはWEB参加を交えた会議となり、時代の流れを感じています。協会のおかげで保団連の会議にも参加させていただきました。ここでも素敵な方々と出会うことができました。
 私はこの三月をもちましてJoyJoyの会を卒業し「口の健康から始める全身の健康づくり活動」を進めていく予定です。
 最後になりましたが、会員の皆様のご活躍、会のご繁栄を心から祈っております。

歯科医師 吉良直子(2021年2月『熊本保険医新聞』掲載)